ピルは高い避妊効果がありますが、避妊以外の効果もありピルの種類によって違います。使用するのであれば自分の目的に合わせてピルを選ばれるとよいでしょう。またピルはネットでも気軽に注文することが可能となっています。

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ピルの歴史についてご紹介します

今や世界中の女性が望まない妊娠を回避するために使用しているピルですが、この医薬品がアメリカで開発されたのは20世紀中盤のことであり、数多くある医薬品の中では比較的歴史が浅い部類に入ります。
1930年代にアメリカでステロイドの研究をしていた有機化学者が、ノースカロライナ州の山中で採取した山芋の中に生理痛を緩和させる作用があるステロイドを発見しました。
この化学者はその後プロゲステロンを合成する方法を編み出すなど、ステロイドの分野で多大な貢献をしましたが、1940年代の終わりに一切の研究をやめてしまいました。
しかし、彼がのこした多数の論文は、その後のステロイド研究の礎となっており、ピルにつながる研究開発もその一つに含まれています。
ピルの開発が始まったのは1950年代に入ってからですが、その背景となったのは当時のアメリカでの女性の人工妊娠中絶の横行です。
人工妊娠中絶によって生じる肉体面や精神面、金銭面の大きな負担は、女性にとって悩みや苦しみを与えます。
そのような状況の中、アメリカの産児制限活動家の女性と生殖に関する研究をしている生物学者との会談がきっかけとなって、女性自らが主体となって避妊できる方法の研究が始まり、その結果としてうまれたのがピルです。
ピルは1960年に規制当局によって認可され、販売が始まりました。
当初は静脈血栓塞栓症、胃腸障害、強烈な頭痛や吐き気などといった副作用に対するリスクが問題となっていましたが、その後の研究によって、1970年代にはエストロゲン制限によって静脈血栓塞栓症などの副作用のリスクが少ないピルが登場するようになり、多くの女性が安全かつ安心に服用し、避妊ができるようになったことから急速に普及がすすみました。
今日では、ピルは世界で1億を超える女性に服用されており、コンドームとならぶ避妊アイテムの代表的なものの一つとなっています。
日本でも製薬会社によって開発されたピルが数種類認可されており、婦人科のある医療機関で医師に相談すれば、処方してくれます。

日本はピルの認可が遅かった

日本でエストロゲン制限がかかった副作用の少ないピルが初めて認可されたのは1999年6月で、国連加盟国の中でもっとも遅いものでした。
日本で新薬の製造販売承認を申請してから取得するまでにかかる期間は1年前後といわれていますが、ピルについては承認申請が行われたのが1990年7月で、承認までに9年間を要しています。
承認までにこれほどの長い期間がかかったのは、HIVの感染リスクの見極めに時間がかかったことが主な理由といわれています。
承認申請があった当初は、他の医薬品と同様に順調に審査がすすんでいましたが、中央薬事審議会の配合剤調査会が終了し、承認についての判断が出される直前の1992年3月に、ピルの普及によってコンドームの使用が減少し、それが原因でHIVが蔓延するおそれがあることを懸念した当時の厚生省が審査を中断し、承認は先送りとなりました。
ピルの製造販売承認審査は3年後の1995年4月に再開されました。
中断されたタイミングからいけば、審査再開後短期間で結論がでるものですが、ピルの場合はそうはならず、審査再開後もピルの普及とHIV感染症をはじめとする性感染症に対するリスクについての議論が長期間にわたってすすめられました。
このあまりにも慎重な手続きの進行が、9年もの期間がかかる要因となりました。
実は、ピルの製造販売が承認されるのと同時期に、男性用の勃起不全治療薬も承認されています。
しかし、こちらの医薬品は使用者による健康被害が国内外で複数報告されたことがきっかけとはいえ、製薬会社が申請してから6ヶ月という当時としては異例のはやさで承認されており、9年を要したピルと比較するとあまりに対照的です。
この承認スピードの遅さは日本国内におけるピルの普及にも影響を与えており、普及率では欧米に大きく後れをとっています。